| 理解できないこと |
asahi.comに次のような記事がありました。 「バンジー」と称し、乳児を床に落とす 奈良の虐待事件
生後4ヶ月の子供の足を持って逆さづりにし、そのまま手を離して床にたたきつけるという行為を「バンジー」と称して「父母」が何度も実行していた、と言うことです。 なお、4ヶ月目に虐待が発覚したということであり、虐待が始まったのは生後1ヶ月頃からだそうです。
4ヶ月といえば、まだ頭の骨も固まっていませんし、頭蓋骨内の脳も揺れやすいため、揺することも避けるように注意されている時期です。 そんな時期に頭に強い衝撃を与えると脳が物理的に破損することは容易に予想されます。 文字通り、打ち所が悪かったら死亡する、というような危険な行為です。
さらに、乳児の首が据わるのは平均して3から4ヶ月頃といわれています。 それまでの乳児は起こそうとしても首がだらーんと横に倒れ、まっすぐにしておくには支えが必要な状態です。 首の骨も首の筋肉も未発達ですので、頭に横向きに力が加わるとそれがそのまま首への力となり、頸椎に強い力が働くこととなります。 頭から落とすということは、首を折る危険性もあったということです。
それ以前の問題として、身体の昨日が未発達な乳児を逆さづりにするという行為そのものが危険と言えます。 頭蓋骨内で出血が起こり、出血した血液によって脳が圧迫され、障害が生じるということも十分に考えられる危険な行為です。
容疑者は「双子はいらなかった」と話しているようです。 死んだらいいのに、と思っての行為ではなかったのかと思わされるコメントです。 少なくとも「死ぬかも知れない」ということは認識していたはずですし、「死んでもかまわない」と結果を容認する気持ちもあったと推測されます。 刑事裁判上「故意」(殺意)を持って、「殺害行為」を実行したこととなります。 裁かれる罪名は「殺人罪」または「殺人未遂罪」となるでしょう。
子供は意識不明の重体で、肋骨の骨折は11本とのことです。 肋骨は12対24本あります。 そのうちのほぼ半分が骨折していたということです。 これだけの結果が生じるまでにはどれだけの虐待が加えられたのでしょう。
子供がうるさいから(しつけのつもりで)殴った等という記事なら、今までにも何度もありました。 虐待という点では同じとも言えますが、今回の事件は、根底にある意識が全く異なります。 今回の事件は「殺すつもりで殺した」という殺人事件です。
家から子供の声が聞こえなかったということから、ミルクもまともに与えられておらず、泣く力すらなかったのではないかとも思われます。 この子はなんのために生まれてきたのでしょう。 生まれてすぐに親から虐待され続け、たった4ヶ月で命を失うかもしれない。 かわいそうという言葉では表しきれません。
さらに気が滅入るのは、おそらくこの事件は「氷山の一角」でしかないんだ、ということが否定できないということです。
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